女性のフィナステリド利用は副作用があるのでNG

2019年12月12日

フィナステリドは、2010年に日本皮膚科学会が作成した「男性型脱毛症の診療ガイドライン」の中で、内服療法における第一選択薬として用いるべきと高い評価を受けた抗&ロゲン薬です。
ただし、これはあくまでも成人男性の症状に対してのみであり、未成年者や女性の場合は対象外です。
厚生労働省が承認する際に実施した臨床試験が20歳以上の男性のみを対象としていたために、安全性が確立していないということが理由です。
女性の場合は海外で行われた良質なランダム化比較試験により無効であることが判明しています。

さらに、妊婦や授乳中の女性に関しては単に対象から外れているというだけではなく、投与すること自体を禁忌とされています。
これは女性の体内を通してフィナステリドの成分が胎児や乳児に悪影響を及ぼすという副作用の危険があるからです。
具体的には、生殖器の正常な発育が阻害されてしまい、奇形が生じるというものです。

男性胎児の生殖器は、妊娠6~24週間目というかなり初期の段階で形成されます。
これは、この期間に妊婦の体内で大量のテストステロンが分泌されるためです。
この男性ホルモンと5α-reductaseという還元酵素が結合して生成されるDHTにより、男性胎児の生殖器は形成されます。

これに対してフィナステリドの作用機序は、5α-reductaseの酵素活性を阻害するというもので、DHTの生成を抑制することを目的としています。
男性胎児の生殖器を形成するという点においては、もろに影響を受けてしまうということになります。

ちなみに、ドミニカ共和国やニューギニア、トルコでは先天的にこの還元酵素を欠乏している胎児が多く誕生しており、これに伴い性分化疾患の発生頻度も多くなっています。
この性分化疾患とは生殖器が男性として形成されないために、女性に特有の形状のままで生まれてくるというものです。
妊婦がフィナステリドを服用するということは、この性分化疾患をサポートするような作用が体内の男性胎児に発揮されるということになります。

妊婦や授乳中の女性はフィナステリドに触るのも危険!

女性がフィナステリドを使用すると、体内を通して成分が胎児や乳児に悪影響を及ぼす副作用の危険性があり、生殖器の正常な発育が阻害されて奇形が生じる恐れがあります。
この副作用について、服用しなければ問題ないというものではなく、妊婦や授乳中の女性は触れることも禁忌とされているので取り扱いに注意が必要です。

フィナステリドは皮膚からも吸収される性質があるため、薬に触れると体内や母乳から胎児や乳児にも成分が影響することが考えられます。
フィナステリドを有効成分としている薬はコーティングされているため、そのままの状態であれば触れても皮膚から吸収されません。
しかし、砕けていると破片から吸収されてしまう可能性があるので触れることも禁忌とされています。

妊婦や授乳中の女性がフィナステリドに触れないようにするには、女性がこれを有効成分とする薬を使わないだけでなく、パートナーの協力も不可欠です。
テーブルなどの上に剥きだしで放置していると何の薬か分からずに誤って触れてしまったり、子供が誤飲してしまう危険性もあります。

また、費用を抑えるために1錠にフィナステリドが5mg含まれている薬を使う人もいますが、これはAGAの治療に用いる1日の摂取上限の5倍の量になるためピルカッターで分割して使うものです。
当然ながら断面部はコーティングがなくなってしまうので女性が触れるのが危険になるだけでなく、破片が飛散して吸収される危険性があります。

このように女性に対するフィナステリドの危険性は本人だけが注意しても完全に避けられるものではありません。
パートナーも配慮が必要ですが、できれば妊娠したり授乳している期間は使用を控えるのが最も安全になります。